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本音のコラム 「アベノマスクという愚策」 前川喜平

本音のコラム  「アベノマスクという愚策」  前川喜平/23面

 安倍首相は全国5000万世帯に布マスク2枚を配布すると表明した。恐るべき愚策だ。「マスク需要に対応する上できわめて有効」と首相は胸を張るが、3日本紙夕刊は「アベノマスク」と揶揄(やゆ)されていると報じた米メディアを紹介していた。総額数百億円。あまりにもったいない税金の使い方だ。医療体制の整備とか休業補償とかもっとましな使い道はいくらでもある。
 3日の朝日新聞によると、この策は「経済官庁出身の官邸官僚」が「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えます」と発案したのだという。首相にこんな「英断」をさせられるのは、今井尚哉首相秘書官しかいない。2月27日の突然の「全国一斉休校要請」も彼の発案だった。
 今井氏や首相の最大の関心事は国民の健康ではなく政権の支持率だ。耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる。森友・加計問題、詩織さん事件、統計不正、桜を見る会、検察人事など数々の腐敗もそうやって糊塗(こと)してきた。「どうせ国民は愚かだ。いくらでもだませる」と見くびっているのだ。
 しかし、アベノマスクはあまりにもひどい。こんな子供だましでだませるほど国民は愚かだと思っているのなら、今井さん、安倍さん、それは考え違いというものだ。 (まえかわ・きへい/現代教育行政研究会代表)